【完結】偽り夫婦の夫婦事情〜偽りの愛でも、幸せになれますか?〜
「……ん……?」
何故か目が覚めると、リビングには聖良がいた。そして聖良は俺が起きたことに気付くと、「おはようございます。棗さん」と声をかけた。
「……聖良、大丈夫なのか?」
「はい。今の所、調子がいいんです」
「……そうか。くれぐれもムリはするなよ」
「わかっています」
聖良は少しだけ微笑むと、バルコニーに出て花に水をあげていた。
……というか俺は、どうやらそのままリビングで寝てしまったようだな。寝る前の記憶が全くない。俺はいつから寝てしまっていたのか。全然思い出せない……。
寝る前は何をしてたんだっけ?うーん……。やっぱり思い出せない。俺は相当疲れているのかもしれないな。
とりあえず顔を洗ってこよう。シャッキとしないとな……。
冷たい水で顔を洗うと、冷たさが心地よくてすぐに目が覚めた。とにかく本当に疲れているのだと、つくづく実感する。
「あの……。棗さん」
「なんだ?どうした?」