【完結】偽り夫婦の夫婦事情〜偽りの愛でも、幸せになれますか?〜
「……たまには公園もいいですね」
聖良は公園にあるベンチに座ると、そう言って笑った。
「そうだな。……結婚してからしばらく経つけど、初めて来たなこの公園も」
「はい」
公園にある遊具では近くに住んでいるであろう子供がたくさん遊んでいた。追いかけっ子したり、鬼ごっこしたりしていた。そんな子供の姿を見ながら、聖良は「子供って本当にいいですね」そう言っていた。
「……そうだな。いいな、子供って」
今聖良のお腹にいる赤ちゃんは、正真正銘俺たちの赤ちゃんだ。どんな赤ちゃんが生まれてくるのか、今からとても楽しみで仕方ない。
「……棗さん」
「ん?」
聖良を方を見つめると、聖良は明るい声でこう言った。
「わたし、棗さんと結婚出来て幸せです。こうして赤ちゃんも出来て……。わたしたち、幸せな家族になりましょうね」
俺はその言葉に、聖良の手をしっかりと握りしめてこう言った。
「ああ。幸せになろう。必ず、幸せになろう」