【完結】偽り夫婦の夫婦事情〜偽りの愛でも、幸せになれますか?〜




 「聖良様、マスカットゼリーを作ったのですが……。食べられそうですか?」
 
 寝室のドアを開けた家政婦さんにそう言われて、「食べたいです」と言い、ゆっくりとベッドから起き上がった。つわりは軽めで大丈夫な日もあれば、結構つわりがひどい時もあるので、なかなか体調面で言うと安定しなくて不安定だ。
 
 「聖良様、ムリでなくて構いません。食べられそうならで大丈夫ですよ?」

 「いえ……。何も口にしていないので食べたいです」

 つわりがひどくなり、食べ物を口にすることも出来なくなっている。とはいえ、食べないといけないので、とりあえず食べれる時に食べようと思っていた。だけど、食べようと思うと気持ち悪くなったりして……。体が言うことを聞かないのは確かだ。

 「……いただきます」

 家政婦さんが作ってくれたマスカットゼリーを一口食べると、マスカットの甘酸っぱさが口の中に広がってすごく美味しかった。家政婦さんに「どうですか?」と聞かれて「美味しいです」と答えた。
 



 
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