【完結】偽り夫婦の夫婦事情〜偽りの愛でも、幸せになれますか?〜
「悪い。ムリにじゃなくていい」
「いえ!た、食べたいです……!」
棗さんが作っているホットサンドが妙に美味しそうに見えて。どうしても食べたい気持ちになってしまう。……多分食べても吐いてしまうかもしれない。それでも、どうしても食べたい。
「そうか。でも大丈夫なのか?」
「はい。……なんか、今食べたいです。すごく」
「そうか。ならふたりで食べよう」
「……はい」
棗さんが用意してくれている間、わたしは顔を洗った。
「出来たぞ。聖良」
「うわぁ……」
目の前に並べられた美味しそうなホットサンドとサラダ。これを見て、少しばかりテンションが上がってしまった。……あれ?わたしやっぱり、変?
「食べようか?」
「はい」
いただきますと手を合わせて、まずはサラダから食べてみた。……うん?あれ、美味しい……。このサラダのドレッシング、すごく美味しい。なんでだろ?この前までサラダも食べられなかったのに……。