【完結】偽り夫婦の夫婦事情〜偽りの愛でも、幸せになれますか?〜




 「どうだ?食べられそうか?」 
 
 サラダを頬張るわたしに、棗さんは一言そう言った。

 「美味しい……。美味しいです、すごく」

 このドレッシングがすごく美味しい。しかもなんか、食べても全然気持ち悪くなったりしない。

 「そうか。なら良かった」

 サラダを食べた後、ホットサンドも口にしてみた。サクッとしたパンに、とろっとしたチーズとハムやベーコン、ソーセージが入っていた。

 チーズサンドなんだ……。でもわたし、食べられている。どうしてだろう?チーズのニオイがダメだったのに。

 「ホットサンド、食べられそうか?」

 「……はい。何か美味しいです。ていうかわたし、チーズニオイがダメなんですけど、食べられているんです。不思議……」

 「そうなのか?……もしかして、つわり治ったのか?」

 「……え?」

 そう言われると、夜中に吐く回数も減ったし。サラダやホットサンドも普通に食べられている。……もしかしてわたし、つわり治まったの?


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