【完結】偽り夫婦の夫婦事情〜偽りの愛でも、幸せになれますか?〜




 「……そうなんですね。それを聞いて、わたしも早くこの子を生みたいなって思いました」

 お腹に手を当てて鼓動を感じながら、そう言葉にした。

 「あ、そう言えば名前言ってなかったですね?わたしは蒲田(かまた)友香里(ゆかり)。よろしくお願いしますね?」
 
 「こちらこそ、よろしくお願いします。わたし、鷺ノ宮聖良って言います」

 「え?鷺ノ宮……?って、まさか……?」
 
 「はい。わたしは鷺ノ宮グループの社長、鷺ノ宮棗の妻です」

 「……えっ。え?……ええっ!」

 友香里さんは驚いたような顔をして立ち上がると、「ウソ!あ、あの、鷺ノ宮棗の妻……!?」そう言ってビックリしていた。
 
 「はい。鷺ノ宮棗の妻です」

 わたしがそう言うと友香里さんは、「ビックリした!鷺ノ宮棗の妻がこんな所にいるなんて……!」と言っていた。

 「いえ。わたしは妻と言っても、ごく普通の人間ですよ?平凡な家庭に生まれ育った普通の人間です」

 「いや!鷺ノ宮棗の妻なんて……!すごすぎる!」



 
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