【完結】偽り夫婦の夫婦事情〜偽りの愛でも、幸せになれますか?〜
「……棗さん?」
「聖良、これからも俺のことを支えてくれ」
棗さんの優しい体温がそっと包み込んでいく。
「……はい。わたしは、ずっとあなたのそばにいますよ?わたしは、あなたの妻ですから」
「ああ……。赤ちゃんも出来たしな?俺たちはもう離れることは出来ないよな?」
「はい。もちろんです」
こうして過ごしていくふたりの日々が積み重なっていくのは、すごく嬉しい。こうして積み重なって行くこの日々は、わたしたちにとって宝物になる。
「さ、ご飯食べましょう?」
「ああ」
ふたりで並んで食卓を囲む。
「ん、これ美味い」
「よかったです。今日はいつもより甘めにしてしまいました」
「いや、こういう甘めなのもいいな?俺はどっちかというと、甘めの方が好きかも」
「本当ですか?よかったです」
「本当に美味い。聖良の作る料理は、世界一だよ」
「そんな。大袈裟ですよ……」
棗さんはいつもわたしの料理を褒めてくれる。