【完結】偽り夫婦の夫婦事情〜偽りの愛でも、幸せになれますか?〜
「そうだ。棗さん」
「ん?」
「友香里さん、今日、赤ちゃんが生まれたんです」
「そうなのか?それはおめでたいな」
「はい。女の子だそうです。写真見せてもらったんですけど……。すごく可愛かったです」
棗さんはその言葉で「そうか……。俺たちも早く会いたいな?」そう言って笑っていた。
「はい。早く会いたいです」
検診で性別は分かっていたけど、棗さんには生まれてから男の子か女の子か教えてあげたくて。まだ内緒にしている。
「よし、手を洗ってくる」
「はい。ご飯にしましょうか」
わたしはキッチンで夕食の準備をした。今日は炊き込みご飯とひじきの煮もの、そしてわかめと玉ねぎのみそ汁だ。和食が食べたくて作ったけど、棗さんも喜んでくれているようだった。
「「いただきます」」
棗さんは炊き込みご飯を食べて一言、美味いと言ってくれた。
「よかったです」
「やっぱり疲れて帰ってきた時は、聖良の料理を食べると元気になるな」