【完結】偽り夫婦の夫婦事情〜偽りの愛でも、幸せになれますか?〜
「ただいま。聖良、帰ったぞ?……聖良?……おい!聖良、大丈夫か!?」
「な、棗さん……。お腹が……」
「え?……まさか陣痛か!?」
「た、たぶん……」
「待ってろ!すぐ車を用意するから!」
棗さんはカバンを放り投げると、スマホを出してすぐに社用車を手配してくれた。……そこでまた一つ分かった。
「な、棗さん……。どうしよう……」
「どうした聖良!?」
「は、破水……してしまってます……」
マタニティワンピースから水が出ていた。恐らく破水してしまっているみたいだった。
「何!?本当か……。待ってろ!すぐにバスタオルを持ってくる!」
「は、はいっ……」
棗さんは慌てたようにバスルームへ行くと、バフタオルを何枚か持ってきてくれた。
「聖良、もうすぐ車が到着する。もう少しの我慢だ」
「は、はいっ……」
お腹の痛みがだんだんと強くなってきて、痛すぎて死にそうになってしまった。やばい。痛い〜!!