【完結】偽り夫婦の夫婦事情〜偽りの愛でも、幸せになれますか?〜
「はい。わたしたちは、この子のママとパパです。ちゃんと家族です」
こうして生まれてきた赤ちゃんと、棗さんと3人。今日からわたしたちは家族としての生活をスタートさせる。
そう言えば棗さん、赤ちゃんが生まれた時、泣いてたな……。棗さんが泣いていた所、初めて見た。棗さんの涙は、とてもキレイだった。
「そうだ。赤ちゃんの名前、決めないとな?」
「はい。そう言えばまだ、棗さんには赤ちゃんの性別言ってなかったですね。生まれてからのサプライズにしてしまいました……。すみません」
「いいんだよ。女の子でも男の子でも、生まれてきてくれたらそれで」
棗さんはわたしのその言葉にも、優しくそう言ってくれて。赤ちゃんを見つめながら、「可愛いな本当に」なんて言っていた。
「はい。……赤ちゃん、本当に天使みたいに可愛いですね」
「ああ。本当に可愛いな?」
「はい」
その後わたしたちは、赤ちゃんの名前を永遠(とわ)と名付けた。永遠に明るく元気な子に育ってくれるように……。
【完結】