【完結】偽り夫婦の夫婦事情〜偽りの愛でも、幸せになれますか?〜
【偽り夫婦の距離】
「聖良?どうした?」
「え?あ、いえ……。なんでもないです」
「そうか。シャワーを浴びてくる。先に寝室に行っててくれ」
「はい。分かりました」
わたしは先に寝室に行き、ベッドに入った。そしてスマホを開き、猫の動画を見ていた。最近猫の動画を見るのにハマっていて。とても可愛いネコたちに癒やしをもらっている。
疲れた体と心を癒やしてくれるネコちゃんたち。可愛いな〜。ネコはほしいと思うけど、飼うのって大変だから、見ているだけで充分だ。
ずっと可愛いネコたちを見ていた時、お風呂から上がった棗さんが寝室に入ってきた。
「お待たせ、聖良。……ん?何を見てるんだ?」
「ネコの動画です。ネコが好きなので」
「そうなのか。……もしかしてネコ、飼いたいのか?」
不思議そうに棗さんは聞いてきた。
「いえ。飼うのは大変なので……。見てるだけで充分です」
「そっか。……ネコ好きだったなんて、知らなかったよ」