【完結】偽り夫婦の夫婦事情〜偽りの愛でも、幸せになれますか?〜
そんなことを考えながら家事をこなしたり、花に水を上げたりしながら過ごしたりした。普段の日なら午後になってから、夕飯の買い物に行くのだけど。今日はそれがないから、何をしようか考えてしまう。
またネコの動画でも見ようかなとか思いながらも、今日着る服を決めようと思い寝室へ行った。クローゼットを開けて自分の服を選ぼうとしたけど。
「……なんでわたし、服を選ぶのにこんなに時間がかかってるんだろう」
いつもなら簡単に決められるのに、なぜだか決めることが出来ない。……頭から離れない。昨日の夜、棗さんが言ったあの好きという言葉。
棗さんがなぜ好きだと言ったのか分からない。それに今まで一度もそんなことを言ってくれたこともないし、言ったこともない。
……あの好きだという言葉は、どういう意味で言ったのか。わたしにはまだ分からなかった。あの言葉を信じてもいいのかさえ、分からない。
本当なら好きって言われたら、普通は嬉しいのかもしれない。