【完結】偽り夫婦の夫婦事情〜偽りの愛でも、幸せになれますか?〜
「このドレッシングは、自分で作るの出来ないですね。今まで食べたドレッシングで、一番かもしれないです」
「そんなにか?」
「はい。美味しいです。すごく」
思わずサラダを食べただけで笑顔になってしまう。そしてそれを見て、棗さんは1言こう言った。
「やはり聖良は、笑っている方がいい」
「え?」
「いつもムスッとしたり、嫌な顔をするが……。お前はやはり、笑っている方がいい」
「……いつもムスッと、してましたか?」
そんなこと、ないようにしていたのだけど……。やはり出ていたのかな……。ちょっと残念。
「……いや、そんなつもりはなかったのだが。すまない。言い方が悪かったな」
「いえ。気にしないでください……。棗さんの言う通りだと思います。もしかしたら気が付かないうちに、ムスッとしたり、嫌な顔をしていたのかもしれません」
「……聖良」
「すみません。……わたし、あなたの妻としてダメでしたね」