【完結】偽り夫婦の夫婦事情〜偽りの愛でも、幸せになれますか?〜
そう言われると、行きたい所……。どこだろうな。
わたしは棗さんとデートするのなら、どこでもいいんだけど……。
「ああ。まぁ、考えておいてくれ」
「……はい。分かりました」
わたしはどこに行きたいかを日曜日までに考えることにした。
「おはようございます。棗さん」
「おはよう、聖良。……今日もキレイだな」
「……ありがとうございます」
そして迎えた日曜日。わたしはいつもよりも早く起きてしまった。なぜだろう……。
きっと初めての棗さんとのデートで、緊張していたのかもしれない。その緊張はきっと、ドキドキも兼ね備えているのだと思った。
棗さんとのデートで、こんなにもドキドキするんだなと。自分でもびっくりしたけど。
「それにしても、今日早いな?」
「その、いつもよりも早く目が覚めてしまって……」
「そうか。自分でも気が付かないうちに、緊張しているのかもな?」
「……はい」