【完結】偽り夫婦の夫婦事情〜偽りの愛でも、幸せになれますか?〜
【鷺ノ宮夫婦の初めてのデート】
「実は俺も今日は、とても楽しみにしていた」
「え?」
棗さんも、楽しみにしていたの……?わたしとのデートを……?
「お前との初めてのデートだ。……楽しみにしていない訳がないだろう?」
「……ありがとう、ございます」
そんなことを言われるなんて思ってもいなかったから、なんて返せばいいのか分からなかった。
ありがとうで、よかったのだろうか?
「よし、準備が出来たら出掛けよう。……それよりも、行きたい所は決まったのか?」
「え?あ、はい。一応……」
行きたい所を色々と考えたけど、結局悩んだ挙句に定番の遊園地を選んだ。遊園地は昔から好きだし、絶叫系も好きだから。
「そうか。車は俺が出そう」
「はい。ありがとうございます」
「で、どこに行きたいんだ?」
棗さんがわたしの顔を見ながらそう言った。
「……あの、定番なんですけど。遊園地に行きたいです」
「遊園地か。よし、分かった。遊園地に行こう」