【完結】偽り夫婦の夫婦事情〜偽りの愛でも、幸せになれますか?〜
真剣な眼差しでそんなことを言われたら、イヤでも断れないし。……心もドキッとしてしまう。
「……聖良?」
わたしの顔をのぞき込んでくる棗さん。その顔は不思議そうな感じだった。
「じゃあもし、気持ち悪くなったり、気分が悪くなったりしたら。すぐにわたしに言ってくださいね?……ムリをすると、良くないので」
「分かったよ。約束する」
棗さんとそう約束をした後で、ジェットコースターに乗った。小さなジェットコースターでも、久しぶりに乗ると迫力があって速い気がした。
「きゃああああ〜!!」
「ああ……!?うおっ! 早っ!ヤバッ……!!」
でも久しぶりだからこそ楽しくて。テンションが上がってきて。ジェットコースターに乗ったら、自分がこんなにも楽しくなれるのだと実感した。
棗さんは結構怖かったみたいで……。終始目を閉じたままずっと裏返った声のまま叫んでいた。
よっぽど怖かったのだろうな。だからムリしなくていいって言ったのに……。