【完結】偽り夫婦の夫婦事情〜偽りの愛でも、幸せになれますか?〜
「よし、次に行こうか」
「えっ?もう大丈夫なんですか?」
「ああ。大丈夫だ。すまなかったな」
「謝らないでください」
その後わたしたちは、全ての乗り物に乗った。コーヒーカップや射的のゲームなどもした。
「お、当たったぞ?」
「棗さん、すごいですね?」
「そうか?」
「はい。さすがです」
今まで1日をこんなに長く、棗さんと過ごすこともなかった。だからわたしはこのデートがとても楽しくて、新鮮な気持ちに感じたのは確かだった。
棗さんとのデートって……。こんなにも新鮮なんだな。今まで知らなかった。
「……聖良、最後にアレを乗らないか?」
「え?」
棗さんが指差したのは、大きく回る観覧車だった。びっくりした。まさか棗さんがそんなことを言うなんて……。意外すぎてびっくりしてしまった。
「イヤか?」
「い、いえ。……では、乗りましょうか」
わたしたちはデートの最後に観覧車を乗ることにした。