【完結】偽り夫婦の夫婦事情〜偽りの愛でも、幸せになれますか?〜
「すごいな?キレイだな」
棗さんはずっとわたしの手を握ってくれていた。その手の温もりは温かくて。なんだかホッと安らぐような温かさだった。
「はい。魚、とても可愛いです。色鮮やかですね?」
「そうだな。可愛いな?」
「はい。可愛いです」
「でも魚よりも、聖良の方が可愛くて好きだけどな?」
「ええ?」
棗さんは急にそんなことを言い出したから、わたしはびっくりしてしまって……。少しだけ照れてしまった。
「聖良、ゴマフアザラシがいるぞ?」
「え?本当ですか?」
「ほら、あそこ。ゴマフアザラシだ」
「本当だ!可愛い〜」
ゴマフアザラシ、とても可愛かった。ゴマフアザラシ昔から好きだから、見れてよかったと思った。
「聖良、写真撮ってやろうか?」
「本当ですか?お願いします」
ゴマフアザラシと一緒に、写真を撮ってもらった。これもまた、新婚旅行の思い出だ。