【完結】偽り夫婦の夫婦事情〜偽りの愛でも、幸せになれますか?〜
「棗さんも、ゴマフアザラシと写真撮りましょうよ」
「え?いや、俺はいいよ」
「撮ってあげますよ?」
スマホのカメラをセットして、ニコッと笑った。
「……じゃあ、頼む」
「はい。では撮りますよ?……はい。チーズ」
わたしは棗さんの写真も一緒に撮影した。
「ありがとう。よく撮れてるな?」
「ありがとうございます」
写真を撮った後は、ペンギンを見にいったり、イルカを見に行ったりした。イルカに餌やりが出来るみたいだったので、ふたりで餌をあげることにした。
「見てください。棗さん。ちゃんと食べてますよ?」
餌をあげながら棗さんの方を向くと、棗さんは少しイルカの大きさに驚いているようだった。
「うおっ……!びっくりした……」
「大丈夫ですか?棗さん」
「いや、大丈夫だ……。しかし、けっこう目の前にすると、デカイよな?」
「そうですね。でも可愛いですよね?」
「……確かに、可愛いな」