【完結】偽り夫婦の夫婦事情〜偽りの愛でも、幸せになれますか?〜




 「棗さんも、ゴマフアザラシと写真撮りましょうよ」

 「え?いや、俺はいいよ」

 「撮ってあげますよ?」
 
 スマホのカメラをセットして、ニコッと笑った。

 「……じゃあ、頼む」

 「はい。では撮りますよ?……はい。チーズ」

 わたしは棗さんの写真も一緒に撮影した。

 「ありがとう。よく撮れてるな?」

 「ありがとうございます」

 写真を撮った後は、ペンギンを見にいったり、イルカを見に行ったりした。イルカに餌やりが出来るみたいだったので、ふたりで餌をあげることにした。

 「見てください。棗さん。ちゃんと食べてますよ?」

 餌をあげながら棗さんの方を向くと、棗さんは少しイルカの大きさに驚いているようだった。

 「うおっ……!びっくりした……」

 「大丈夫ですか?棗さん」

 「いや、大丈夫だ……。しかし、けっこう目の前にすると、デカイよな?」

 「そうですね。でも可愛いですよね?」

 「……確かに、可愛いな」





 
< 91 / 264 >

この作品をシェア

pagetop