私、身代わり妻だったはずですが。
私、身代わり妻です。
○姉の旦那様。
「千咲(ちさ)待って! お弁当っ!」
「ありがとっ、和志さんっ! 行ってきますっ」
和志さんからお弁当を受け取ると、紺色のスーツを着てカバンとお弁当を左腕で持ち家を出た。駅に着き、駅のトイレへ向かった。
「……よし、これでいいかな」
先ほどまで着ていた紺スーツは脱ぎ、白のシャツブラウスに茶色のチェック柄のテーパードパンツを合わせて生成色のカーデガンを羽織りメイクを少し濃く作り上げた。
━︎━︎━︎いつも朝はこんな感じだ。
「おはようございます〜」
「あぁ、おはよう……心咲ちゃん」
私、綾瀬心咲(あやせ みさ)。そこそこな福祉事業に力を入れている会社で事務職をしている。
「今日の申し送りしていいかな」
「はい、今行きますっ」
私は、メモ帳を取り出し今日の予定を書きたしていく。
「それではよろしくお願いします」
その号令で1日が始まった。
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