私、身代わり妻だったはずですが。
「ずっと意味が分からなかったよ、それ。まぁ、千咲らしいけど」
「うん、だね……ふふっ」
千咲は明るくて顔は同じなのに可愛くて、みんなから愛されるような子で……周りも笑顔になれる太陽のような子だった。
「だからさ、心咲ちゃん。俺は離婚してる、バツイチだけど……禁断の恋、じゃないから」
「……え、ぇ!?」
「心咲ちゃんは可愛いなぁ。千咲も言ってたよ、心咲ちゃんは恋愛経験無くてウブだって」
えええ……!? そんなこと、千咲ったら言ってたの?
「返事は今日じゃなくていい、これからじっくり考えて欲しいんだ」
「はい。あの和志さん─︎─︎─︎……」
“妊娠してるんです”
そう言おうと思ったのに……急にお腹が痛くなってきた。
「心咲ちゃん!?」
和志さんの焦った声が遠く聞こえたけど……それからの記憶がない。