偽装懐妊 ─なにがあっても、愛してる─
……って、いけない。
ここで「そうですね」って同意したら、本当に結婚するまで抱いてもらえないかも。
そんなの嫌だ。
だって、私の〝知りたい〟って気持ちは止まらないんだもん。冬哉さんを全部知りたくてたまらない。あの日の続きをしてほしい。
このまま焦らされていたら死んじゃいそうだ。
「我慢しなくてもいいのに」
私は恥を承知で、カーディガンを脱ぎ、床に捨てた。
冬哉さんの喉が「ゴクリ」と音を立てる。
「……凪紗を脱がせたあの日のことを何度も思い出して、今もなんとかやり過ごしてるんだ。本当に、あまり挑発するな」
「冬哉さん。好き」
肩からワンピースも落とし、下着姿になった。恥ずかしくてたまらなくて、顔だけでなく露になった肌が紅く染まっているのがわかる。