偽装懐妊 ─なにがあっても、愛してる─
交際反対






翌週、日曜日。私は朝からとっておきのピンクのスカートに着替え、クリーム色の柔らかいカーディガンを羽織った。

今日は冬哉さんが我が家に来る日なのだ。

とは言ってもデートではなく、お願いしていた別荘のリノベーションの工程が無事に終わり、そのお礼をしたいからと父が招いた、といういわば建築士としてのご用事だ。

それでもうれしいことには変わりない。冬哉さんはお付き合いのことを早い段階で両親に話してくれていて、約束通り清い関係だし、なにもやましいことはない。

もしかしたらうちの両親も、ついでに結婚の話をするつもりだったりして。

結婚、かあ……。冬哉さんとはまだそこまでの話になっていないけど、いつかしてくれるのかな。

彼のネクタイを結ぶ自分を思い浮かべながら、うっとりと窓から覗く庭の薔薇を見つめる。いけない、ネクタイの結び方、練習しておかなくちゃ。
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