政略結婚のはずが、極上旦那様に溺愛されています
 大きな手はただの握り方ではなく、恋人繋ぎを要求してくる。会社の人間に知られているとはいえ、まだエントランスにいるのに手を繋ぐのは恥ずかしさがあった。

 でも、ほかならぬ私が秋瀬くんと手を繋ぎたくて。

 どうしてこんなに振り回されるのに、秋瀬くんから離れられないのだろう。

 人を好きになる、というのは厄介だと心から思ったのだった。


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