政略結婚のはずが、極上旦那様に溺愛されています
「ってことは、俺を好きで好きでたまらないんだな」

「そこまでじゃないよ!」

 調子に乗った秋瀬くんをすぐに否定する。また笑われて、今日も振り回されているなと思った。

「ほどほどに好き。秋瀬くんの方が私を好きで好きでたまらないでしょ?」

「うん。当たり前だろ」

「えっ」

 思いがけずあっさり承諾され、反論する言葉を失った。

 てっきり私をからかう材料にするか、適当に返すのかと思っていたのに予想外だ。

「ふ、ふーん、やっぱりね」

 真面目に返されると急に気恥ずかしくなる。まだ握っていた手をほどこうとすると、秋瀬くんは指に力を入れてきた。

< 226 / 342 >

この作品をシェア

pagetop