政略結婚のはずが、極上旦那様に溺愛されています
「なんでこんなに好きなんだろうな、俺。……大好きだ」

 少し照れたように言われて、もう顔を見ていられなくなった。

 今度こそ手をほどこうとぶんぶん振るけれど、秋瀬くんはにこーっと笑ってさらに手に力を入れる。絶対にほどいてやらないという強い意思を感じた。

「真白からも好きって言ってくれるまで離してやらない」

「ここは人がいっぱいいるからだめ。家でならいいよ」

 とりあえず今を乗り切ろうとして言ったのがよくなかった。

「じゃあ、今夜は楽しみにしてる」

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