政略結婚のはずが、極上旦那様に溺愛されています
 あんまりにも秋瀬くんがひっきりなしに求めてくるせいですっかり疲れ果て、寝間着のボタンを掛け違えているのさえどうでもよくなってそのまま眠ってしまった。だから今、薄い寝間着というたった一枚の布しか、秋瀬くんと私を隔てるものがない。

 秋瀬くんが私の足に自分の足を絡みつかせて、すりすりと足首の辺りを擦る。わざわざ私の足の間に自分の足を差し入れてまでなにをしているのだ、と問いたくなった。

 なのに悲しいかな、私は秋瀬くんのそんなよくわからない行動にも反応してしまう。

 いつまでこの拷問のような時間を耐えればいいのか。

 いや、そもそも耐える必要はない。今度こそ起きてしまおう。

< 233 / 342 >

この作品をシェア

pagetop