政略結婚のはずが、極上旦那様に溺愛されています
 もう無理だと言ってもやめてくれないし、焦らされ続けて耐えられずにねだると、ねだらせたがるくせにもっと焦らそうとする。私が見ないでほしいと懇願しても、快感に溺れて溶けた顔を強引に見ようとするし、秋瀬くんの行為によって身体がどんな状態になっているのかを言わせようとする。

 しかもさらに悪いことに、彼はそうやって私を愛でているつもりらしい。

 だから意地悪をしながら、何度も何度も耳元で甘く「かわいい」「好き」と繰り返すのだ。

「足、緩めてくれないと続きができないよ」

 秋瀬くんの声がまた私の耳朶をくすぐった。それ以上囁かれたら、なにもかも秋瀬くんに差し出してしまいそうだ。

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