政略結婚のはずが、極上旦那様に溺愛されています
 なんで俺の妻はこんなに小さくてかわいいのだろうか。頬ももちもちで触り心地がいいし、嫌がる素振りを見せながらも俺の胸に顔を押し付けてくるところがたまらない。

 いつまででもこうしていたくて真白に頬ずりしていると、さすがに鬱陶しく思ったのか、肩を押しのけられた。

「ご、は、ん!」

 真白が食卓に並んだ朝食を示す。

 今は空腹よりも真白欲を満たしたいのだと言えば、きっと彼女は「またバカなことを言っている」と蔑んだ目で見てくるのだろう。

「おはようのキスをくれなきゃ、一日のやる気も出ないな」

「じゃあ出さなくていいよ。今日、プレゼンでしょ? 代わりに私が頑張るから」

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