政略結婚のはずが、極上旦那様に溺愛されています
「あ、それは困るな」

 俺たちは夫婦であると同時に、仕事ではライバル関係にある。結婚前からずっと同じデザインチームで戦い、相手には負けたくないという思いで切磋琢磨してきた。

 そう、俺は真白が思っている以上に、彼女に勝ちを譲りたくない。

 俺が先んじて前へ進むからこそ、真白は背中を追いかけてきてくれる。有名デザイナーの息子だとか、大企業の社長子息だとか、実家が金持ちのいわゆる御曹司だとか、そんなことは一切気にせず遠慮なくぶつかってきてくれるのだ。

 俺は、それがたまらなくうれしかった。

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