政略結婚のはずが、極上旦那様に溺愛されています
「三十分……いや、四十分で済ませるから」

「なに、なんの話?」

「この際、ソファでいいか」

「だからなんの――」

 真白を抱え上げてソファに下ろす。否、押し倒した。

 そこでやっと真白は俺のすることに気づいたようだ。覆いかぶさったこの状況で気づくなんて、遅すぎるにもほどがある。まだ俺という夫について理解が甘い証拠だ。ちゃんとわからせてやる必要を感じる。

「だっ、だめだよ! 今日は外部出向だってあるし、歩けなくなったら困るの!」

「へえ。歩けなくなるまで俺にかわいがってもらうつもりだったんだ」

「そういう意味じゃ……!」

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