政略結婚のはずが、極上旦那様に溺愛されています
 そう、彼女は今泥酔していた。酒に弱いと自分でもわかっているのに、たまにこうして羽目を外したくなるようだ。あるいは、酒の力を借りて俺に甘えたいのか。そうならいいと思いながら、おとなしくされるがままになっておく。

「秋瀬くんはいい匂いがするよね」

「それはどうも」

 がばっと真白が俺の胸に顔を埋めてくる。いや、そんな生易しい言い方では足りないかもしれない。頭突きをしてきたという方が正しい勢いだったから。

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