政略結婚のはずが、極上旦那様に溺愛されています
 彼女はもっと自覚するべきだ。自分の行為がすぐ夫を発情させてしまうことを。

 ただ、こんなにも酔っている真白を襲うのは俺も良心が咎める。なんだかよくわかっていない状態の真白より、恥ずかしがったり、俺に文句を言ったりしながら、それでも甘えるしかない真白を抱く方が好きだというのもあるが。

「こら、真白」

「あきせくん」

 真白が俺の指をくわえたまま、舌っ足らずに名前を呼ぶ。ぞくりとしたのも、むらっとしたのも、ひとまず横に置いておいた。

「そっちが噛むなら、俺も噛むからな」

「ん。秋瀬くんならいいよ」

「よくないだろ」

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