政略結婚のはずが、極上旦那様に溺愛されています
 いつも俺の思い通りになるまいとする反動なのか、自分を失っているときの真白は本当に、信じられないくらい俺を素直に受け入れる。

 正気に戻ったとき、そんな自分を覚えているところがまたかわいい。恥ずかしがりながらも、「あれはなにかの間違いだ」と言わないあたりが気に入っている。俺に甘えたがるのも、受け入れたがるのも、真白が普段恥ずかしがって出さないだけの本心だとわかるから。

 身体の中心に凝る欲求を押さえつけようとして、じっと見つめてくる真白と目が合う。そのせいで、つい聞いてしまった。

「ほんとに噛んでいいのか?」

< 268 / 342 >

この作品をシェア

pagetop