政略結婚のはずが、極上旦那様に溺愛されています
 こくりと頷いた真白は、再び俺の胸に顔を埋めてきた。すりすりと頬をすり寄せ、期待するように服の裾を手で握っている。

 彼女は、俺がずっと好きだった人だ。そんな人にかわいらしく甘えられて、これ以上我慢する必要があるのだろうか。たとえ意識が朦朧としていたとしても。そもそも俺は夫なのだから、問題ないのでは?

 悶々と悩んでいるつもりだったのに、勝手に動いた手が真白を抱き寄せていた。

 形のいい小さな耳に唇を寄せ、耳朶を軽く甘噛みする。

 ぴくりと反応した真白が小さく声を漏らした。目を潤ませ、頬を上気させながら俺を見上げてくる。

「もっと」

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