政略結婚のはずが、極上旦那様に溺愛されています
 熱っぽい吐息とともに、真白のおねだりが俺のすべてを刺激する。

 気付けばすっかり俺も体温が上がってしまっていた。真白に惹かれ、求める気持ちを抑えるのが難しくなる。

「耳、好きだもんな」

「うん」

 真白の背中に手を回し、すり、と背筋を指で撫でる。猫のようにしなった背中をさらにきつく抱き寄せ、今さっき甘噛みした耳朶に舌を這わせた。

 そっと周囲を舌先でなぞって、耳の中に滑らせる。それだけでも充分な刺激だったのか、真白は甘い声を漏らしてぶるっと身体を震わせた。ごく小さな声で「秋瀬くん」と呼ぶのが聞こえ、俺もますます高ぶらされる。

「もっと……」

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