政略結婚のはずが、極上旦那様に溺愛されています

　ぽんぽんと頭を撫でられて秋瀬くんを見上げる。

「いつも冷たいから、俺もちょっと控えようと思ってさ。押してだめなら引いてみろ作戦……ってつもりだったんだけど、ちょっと効果が出すぎた」

「なに、言って……？」

「怒ってもいい。というか、怒るところだと思う。……けど、嫌いにならないでくれよ」

　ぎゅうう、と力を込めて抱き締められると、うまく頭が働かなくなった。

「……わざと冷たくしたの？」

「はい、そうです」

　神妙に言った秋瀬くんが、私を不安そうに見つめてくる。

「私を嫌いになったわけじゃない……？」

「俺は一生真白を好きだよ。嫌われてもずっと好きだ」

「……ほんとに？」