政略結婚のはずが、極上旦那様に溺愛されています
「変態」

「じゃあ、もう二度としない方がいいか?」

 ぐ、と言葉に詰まる。秋瀬くんが秋瀬くんじゃなくなったとき、どれだけ不安で寂しく感じるか、今日一日で思い知った。

「ルールを決めよう。外では不必要にちょっかいをかけない。家でも常識の範囲内でのボディタッチのみにする、とか」

「却下。俺は俺の触りたいときに、俺が望むやり方で真白を愛でたい」

「……普通にぎゅってするだけならいいんだけど」

「俺はぎゅってしてむにってして、きゅんきゅんしたいの」

 もはや秋瀬くんがなにを言っているかわからない。だからだろうか、一周回って笑えてきた。

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