政略結婚のはずが、極上旦那様に溺愛されています
 正直に母に伝えておく。夫婦なのだから当然だろうに、そんな考えに至らなかったのはまだ私が秋瀬くんと夫婦だという実感に乏しいせいかもしれない。とはいえ、最初に比べたらずいぶんマシにはなっている。

 ふと、この話を秋瀬くんにしたらどんな顔をするだろうと気になった。

 彼は自分で言うのもなんだけれど、私を引くほど溺愛している。まだ新婚ほやほやということもあるし、子どもはまだ早いと言うかもしれない。

「真白とふたりでいたい」

 くらいの言葉は容易に想像できた。

 私はどうしたいのだろう。秋瀬くんとの子どもが欲しいのか、それとも。

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