政略結婚のはずが、極上旦那様に溺愛されています
「お願いだから見ないで……」
アイスを持っているせいで、ちゃんと顔を覆えない。きっと真っ赤になっている顔を、この人にだけは見られたくないのに。
意識しているなんて知られたくない。イチゴ味のキスを想像してしまったなんて、気づかれたくない。
心臓がうるさいぐらい高鳴っていることも、まだ触れられた唇が少し熱いことも、秋瀬くんの顔を見られなくなっていることも。全部全部、この人にだけは。
「そんな顔されたら、俺も本気になるんだけど」
「あ……」
両方の手首を掴まれ、ことんとアイスが床に落ちた。
思いがけず強い力で顔の横に縫い留められ、隠したいすべてを晒される。
「や、やだ――」
アイスを持っているせいで、ちゃんと顔を覆えない。きっと真っ赤になっている顔を、この人にだけは見られたくないのに。
意識しているなんて知られたくない。イチゴ味のキスを想像してしまったなんて、気づかれたくない。
心臓がうるさいぐらい高鳴っていることも、まだ触れられた唇が少し熱いことも、秋瀬くんの顔を見られなくなっていることも。全部全部、この人にだけは。
「そんな顔されたら、俺も本気になるんだけど」
「あ……」
両方の手首を掴まれ、ことんとアイスが床に落ちた。
思いがけず強い力で顔の横に縫い留められ、隠したいすべてを晒される。
「や、やだ――」