政略結婚のはずが、極上旦那様に溺愛されています
「これ、メールで送っておいたけど一応印刷したから」

「どうも。実はまだ見てなかった」

「だと思った。忙しそうだったもんね」

 秋瀬くんが資料を確認している間に、このミーティングで話したいことを再確認する。しばらくしてちらっと顔を上げると、まだ資料に目を通しているところだった。

 私をからかうような気に入らない笑みではなく、真剣な表情を浮かべている。書かれている内容をすべて把握しようと、一字一句丁寧に読み込んでいるのが見ているだけでわかった。

 いつもそんな顔をしていれば、もう少しだけ魅力的なのに。

 ぼんやりと考えてからハッと首を横に振る。

「ん、読み終わった。これ、三つめのやつだけど」

「ちょっと待って。一番上から順番にやりたい」

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