チャラい彼は、意外と一途


「ふゆ!」


「湊君」 

 
湊君に声をかけられてからは、余計に見られてるような気がした。


ううん、気のせいじゃないか。


もしかして、噂のせい……?


「プレゼント、萌ちゃんに渡せた?」


「あぁ」


一瞬暗い顔になったような気がしたけど、すぐにクールな顔に戻った。


気のせいかな……?


「そっか、よかったね」


「ふゆ、ありがとな。萌、喜んでた」


「ううん、本当によかったよ」


萌ちゃんのことを羨ましいって思ってしまう気持ちもあるけど、その前に友達だから。


普通に嬉しい。


「ふゆ、噂のことなんだけどな……」


「あ、ごめんね。私のせいで迷惑かけちゃって」


「いや、ふゆのせいじゃないだろ。むしろ、ふゆに迷惑をかけた。ごめん。ふゆ、大丈夫か?」


湊君は優しい。


こうやって、私を心配してくれるから。


これは、幼馴染みとしてなんだろうけど……


「うん、大丈夫。心配してくれてありがとう」


「そうか、ならよかった。ふゆ、今から柳樂と遊ぶのか?」


「うん、そうだよ」


「そうか。じゃあ、またな」


「うん、バイバイ」


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