チャラい彼は、意外と一途


手を軽く振っていたから、私も振り返した。


「うーん、あなた達ほんとに付き合ってないのよね?」


「もちろん、付き合ってないよ」


校門を出た時、そんなことを聞かれた。


ありえないのに……


「あの態度、絶対ふゆのことが好きなんだと思うけど」


「湊君が?ないよ。萌ちゃんと仲良いもん。湊君が萌ちゃんのことをすごく好きなのは、紗奈ちゃんも知ってるでしょ?」


「そりゃあ、知ってるけど。あの態度、そうとしか思えないのよね。それに、なんか引っかかる」


紗奈ちゃんの勘は結構当たる。


でも、今回は外れたかな?


「気を遣ってくれなくていいよ、紗奈ちゃん」


まだ湊君のことが好きだから、辛い気持ちはあるけど……


「まぁ、いいわ。それより、クレープ屋に着いたわよ!」


着いたけど、すごい行列。


結構待たないといけないよね。


最後尾に並んでも、なかなか私達の番が回ってこない。


これ、大変だ。


他の人もそう思ってるだろうな。


順番が来るまで紗奈ちゃんと喋って待った。


私達の番になったのは、30分後。


「お待たせしました。注文は何ですか?」


「トリプルベリークレープを2つお願いします!」 


「かしこまりました。金額は1000円です」





< 108 / 300 >

この作品をシェア

pagetop