チャラい彼は、意外と一途
手を軽く振っていたから、私も振り返した。
「うーん、あなた達ほんとに付き合ってないのよね?」
「もちろん、付き合ってないよ」
校門を出た時、そんなことを聞かれた。
ありえないのに……
「あの態度、絶対ふゆのことが好きなんだと思うけど」
「湊君が?ないよ。萌ちゃんと仲良いもん。湊君が萌ちゃんのことをすごく好きなのは、紗奈ちゃんも知ってるでしょ?」
「そりゃあ、知ってるけど。あの態度、そうとしか思えないのよね。それに、なんか引っかかる」
紗奈ちゃんの勘は結構当たる。
でも、今回は外れたかな?
「気を遣ってくれなくていいよ、紗奈ちゃん」
まだ湊君のことが好きだから、辛い気持ちはあるけど……
「まぁ、いいわ。それより、クレープ屋に着いたわよ!」
着いたけど、すごい行列。
結構待たないといけないよね。
最後尾に並んでも、なかなか私達の番が回ってこない。
これ、大変だ。
他の人もそう思ってるだろうな。
順番が来るまで紗奈ちゃんと喋って待った。
私達の番になったのは、30分後。
「お待たせしました。注文は何ですか?」
「トリプルベリークレープを2つお願いします!」
「かしこまりました。金額は1000円です」