チャラい彼は、意外と一途


紗奈ちゃんに全部払わせるわけにはいかないから、自分の分は自分で払う。


私の分の代金を紗奈ちゃんに渡して、紗奈ちゃんはそれを出してくれた。


「お預かりします。少々お待ちください」


ぱたりと閉められて、私達はまたおしゃべり。


それから、数分でクレープをもらった。


近くにある公園で、クレープを食べる。


「んー、美味しい!」


「美味しいね」


人気があるはずだよ。


「そういえば、ふゆに聞いてほしいことがあるの」


真剣な顔で言われたからびっくり。


紗奈ちゃんは何を言うつもりなのかな……?


検討もつかない。


「私ね、律先輩が好きなの」


「うん、知ってるよ」


なんだ、そのことか……


でも、重要は重要。


それに、嬉しかった。


紗奈ちゃんがちゃんと私に言ってくれたから。


「し、知ってたの!?」


「うん。だって、紗奈ちゃん分かりやすいもん」


凍堂先輩が知ってるかは別として、佐野先輩は絶対気づいてるだろうな。


「ふゆに言われるとかどんだけ……あっ、律先輩にバレてないよね!?」


「うーん、分からないけど。多分大丈夫だよ」


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