チャラい彼は、意外と一途


「私に何か用ですか?」


「来てくれればいいの」


ついてきてと言われて着いたのは、人気のない廊下。


普段、あまり人が通らないんだ。


「それで、何ですか?」


「何ですか?じゃないわよ!佑都が突然私のところに来て、僕と縁を切ってもらえる?って聞かれたのよ!これ、あなたのせいでしょ?あなたと関わってから、佑都変だったもの!」


紗奈ちゃんの予想当たってたね。


でも、そんなこと私に言われても困る。


「それを私に言われても困ります」


「生意気な子ね。あなたみたいな子の何がいいのかしら。私の方が断然可愛いのに」


ちょっと傷つくけど、この先輩の言うとおり。


この先輩はとても綺麗で、男の人からモテそうな容姿をしているから。


「先輩は佐野先輩のことが好きなんですか?」


「はぁ?そんなわけないでしょ。佑都とは遊び関係。本気で好きとかじゃないわ。それに、友達にも自慢たらしいできるし」


てっきり好きかと思ったのに、違うらしい。


でも、これは佐野先輩のせいだよね。


佐野先輩がそういう風にしか接さなかったから。


でも……


「だったら、お互い様なんじゃないですか?そうやって、佐野先輩を縛り続ける必要ないと思いますけど」


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