チャラい彼は、意外と一途
タコ、イカ、イワシ、クラゲ、その他いろいろ。
いろいろな水槽にいる生き物を眺めながら、進んでいく。
「ふゆちゃん、今まで見た中で何が1番お気に入り?」
「見たと言っても、そんなに見てないじゃないですか」
「いいから、答えてよ」
「えーと、あえて言うならクラゲですかね」
元からクラゲが好きだったりするんだ。
ふわふわ浮いてて、なんか神秘的というき綺麗なんだよね。
「あ、僕と一緒だ。気が合うね」
にこにこしている佐野先輩を横目で見て、思ってしまう。
もしかして、それ言うために聞いたのかな……
そんな疑念が消えない中、大水槽の前にたどり着いた。
「綺麗……」
「ほんとだね」
ほぅと見惚れてしまうような美しさ。
クラゲの時とはまた別の神秘的な雰囲気があった。
だからだけど、感嘆したような声を上げた。
周りの人も見惚れてる。
大水槽の中を優雅に泳ぐたくさんの生き物。
スケールの大きい水槽の中を自由に泳いでいる姿に目を奪われる。
「クスッ。目が輝いてるよ。まるで、子供みたいにね」
ムッ。
「いけませんか?」
「ううん。ただ、そんなふゆちゃんも可愛いなって」
佐野先輩には敵わない。