チャラい彼は、意外と一途
他人のやつだからっていうのもあると思うけど、佐野先輩は料理が上手なんだと思う。
「美味しいです」
「そう、よかった。ふゆちゃんの作った唐揚げ、美味しいよ。ふゆちゃん、料理上手なんだね」
「私はそこまでですよ。佐野先輩の方が上手だと思います」
ほんとにそう思う。
絶対、私よりは上手い。
「ありがとう。でも、僕はそこまで上手じゃないよ。人並みにはできるけど」
「それは嘘です」
「ほんとだよ?」
謙虚って感じはしない。
本当にそう思ってるんだろうな……
「そう言うことにしときます」
「うん、そうしといて」
佐野先輩が料理上手だと知れてよかったな。
その他は交換せず、もくもくと食べ進めた。
それ以降から会話が途切れてしまう。
なんか気まずいし、会話を……
「そういえば、律ね告白するらしいよ」
「えっ、いつですか!?」
「さぁ。日付は言ってないから、分からないけど、覚悟が決まったら言うんじゃないかな」
「そうですか」
だとしたら、紗奈ちゃんの恋は絶対実る。
嬉しいなぁ……
「嬉しそうな顔して。ふゆちゃんって紗奈ちゃんのこと大好きだよね」
「はい、大好きです!」