チャラい彼は、意外と一途


そう即答できるくらい、紗奈ちゃんのことが好きなんだ。


「即答かぁ」


「佐野先輩こそ、凍堂先輩のこと大好きなんじゃないんですか?」


「男のことを大好きとか気持ち悪いな。まぁ、友達としては普通に好感持ってるけどね」


苦笑いしながら答えてくれた。


男の子と女の子じゃ、やっぱり違うのかな……?


それとも照れてるだけ……?


そう疑問に思ったけど特に言わず、それから他愛もない話をして過ごした。


「食べ終わったし、もう戻ろうか」


「はい、そうですね」


お弁当も食べ終わったから、自分の教室に戻った。









放課後、私は偶然にも萌ちゃんと出会った。


「萌ちゃん」


「あ、ふゆちゃん!」


萌ちゃんは私に気づくと、にこっと笑いかけてくれた。


その隣に湊君はいない。


「湊君と一緒じゃないんだね」


「あ、うん。ていうか、ふゆちゃん知らないんだね」


「知らないって何が?」


なんか嫌な予感がした。


そんなことない。


間違いであってほしい……そう思いながら聞いてみると、


「私と湊、今距離置いてるんだ」


湊君と萌ちゃんがキスしてるところを見た時のように頭が真っ白になった。


距離を置いてる……?





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