チャラい彼は、意外と一途


あんな仲良かった湊君と萌ちゃんが……?


「ど、どうして……?私のせい?」


「ううん、違うよ。まぁ、確かに距離置き始めたのはふゆちゃんと湊がデートしたって噂が流れてた時くらいからだけど、ふゆちゃんのせいじゃない。お互いの気持ちの問題だから」


訳が分からなかった。


でも、それ以上教えてくれることはなくて……


「じゃあね、ふゆちゃん」


笑顔でそう言って、去っていった。


私は動けず立ちすくんでしまう。


知らなかった。


湊君と萌ちゃんが距離を置いていたなんて……


でも、どうして……?


考えても全く検討がつかない。


「ふゆ、まだいたのか?」


「湊君」


そうしている間に、今度は湊君に出会った。


湊君に聞いてみなくちゃ。


どうして、萌ちゃんと距離を置いてるのか……


「ねぇ、湊君。萌ちゃんと距離を置いてるって本当……?」


聞いてみると、湊君は驚いたように目を見開いた。


「知ってたのか?」


「さっき萌ちゃんからそう聞いて」


「そうき、萌が……さっきの質問に答えるけど、それは本当だ」


嘘……


「どうして?あんなに仲が良かったのに……」


「気持ちがすれ違ってるんだ。あと……いや、何でもない。ふゆは自分のせいと思ってるんだろうけど、別にふゆのせいじゃないからな。これは、俺達の問題なんだ」


< 155 / 300 >

この作品をシェア

pagetop