チャラい彼は、意外と一途
あんな仲良かった湊君と萌ちゃんが……?
「ど、どうして……?私のせい?」
「ううん、違うよ。まぁ、確かに距離置き始めたのはふゆちゃんと湊がデートしたって噂が流れてた時くらいからだけど、ふゆちゃんのせいじゃない。お互いの気持ちの問題だから」
訳が分からなかった。
でも、それ以上教えてくれることはなくて……
「じゃあね、ふゆちゃん」
笑顔でそう言って、去っていった。
私は動けず立ちすくんでしまう。
知らなかった。
湊君と萌ちゃんが距離を置いていたなんて……
でも、どうして……?
考えても全く検討がつかない。
「ふゆ、まだいたのか?」
「湊君」
そうしている間に、今度は湊君に出会った。
湊君に聞いてみなくちゃ。
どうして、萌ちゃんと距離を置いてるのか……
「ねぇ、湊君。萌ちゃんと距離を置いてるって本当……?」
聞いてみると、湊君は驚いたように目を見開いた。
「知ってたのか?」
「さっき萌ちゃんからそう聞いて」
「そうき、萌が……さっきの質問に答えるけど、それは本当だ」
嘘……
「どうして?あんなに仲が良かったのに……」
「気持ちがすれ違ってるんだ。あと……いや、何でもない。ふゆは自分のせいと思ってるんだろうけど、別にふゆのせいじゃないからな。これは、俺達の問題なんだ」