チャラい彼は、意外と一途
私達、俺達の問題。
2人して同じことを言った。
それがどういうことかを知りたいのに、湊君も教えてくれない。
「このまま別れちゃうなんてことないよね?」
「あぁ、そうなるかもな」
「そうなるかもって……湊君はそれでいいの?」
「そうなっても仕方ないと思ってる」
どうして……
「ふゆは気にしなくていいからな。じゃあな」
ポンポンと優しく頭を撫でて去っていった湊君の背中をしばらく見送った。
何も分からなかった。
本当に私のせいじゃないの?
知ることができなかっただけにすごく不安だった。
家に帰っても、今朝は佐野先輩のことでいっぱいだったのに、湊君と萌ちゃんのことばかり考えていた。
どうして、距離をとってるのか……
それを知ることができなかった。
何で、2人は教えてくれなかったんだろう……
このまま考えていても、気分が落ち込むだけだと思って紗奈ちゃんに電話をした。
紗奈ちゃんと話していたら、明るい気分になれるから。
『もしもし、ふゆ?』
「もしもし」
『ふゆ、どうしたの?なんかあったって声してるけど』